◆LIC(リック)は、聴覚障害者への通訳派遣や権利擁護を行うNPO法人です。

活動レポート

2016年 1月14日に障害者差別解消法ワークショップを行いました。

差別解消法ワークショップ報告

 

5/15 西宮市・意思疎通支援事業への要望に対する回答

【経緯】

LICは、昨年6月に西宮市に対して、意思疎通支援事業(手話・要約筆記派遣制度)の改善に向けた要望書を提出しました。これは、昨年実施したパーソナル通訳プロジェクト(キリン財団の助成金を活用し、阪神間の聴覚障害者に、無料派遣を行う事業)を通じて、当事者のニーズをあきらかにし、西宮市でも派遣を広く認めてもらえるようにするための取り組みです。LICからは4点要望しました。当初は、昨年秋までに検討の上、回答予定でしたが、大きくずれ込み、11月に中間報告を、そして5月に本報告会となりました。

 

【LICが要望したこと】 ※昨年6月

(1)派遣対象外の場面(交流や趣味、教養など)に、通訳を認めてほしい。

(2)主催者の営利非営利に係らず認めてほしい

→主催者が通訳費を負担できない場合が多く、参加することをあきらめてしまう。

主催者が難しいときは、個人派遣で対応してほしい。

(3)復唱、音声など通訳方法の取り入れ(個々の方法に合わせてほしい)

(4)派遣対象にも関わらず派遣しない事態がないようにしてほしい(夜間など)

 

【5/15 市の回答と変更点】

(1)、(2)について

→ 一部認められました。

(3)について

→変更なし

予算や人材の問題があり、現況で考えて行く。

(4)について

→変更なし

コーディネートの問題があり、直近などではなく原則5日前に依頼のこと。夜間やハイ

キングの通訳は、通訳者の安全面も考慮しなければならない。

 

【詳細】

LICからは、良い取り組みのモデルとして、宝塚市の状況を調べて資料として提出したり、きちんと検討が進めてもらえているか、市に確認に行きました。宝塚市では、営利や宗教活動を除けば、基本的に派遣を断られたりすることがないので、当事者にとっては使いやすいしくみになっています。西宮市と比べても非常に進んでいるので、まずは近隣市との格差を認識し、本市でも取り入れてほしいとお願いしました。

それを受けて、西宮市は阪神間の14市の意思疎通支援事業の状況について詳しい「アンケート調査」を行いました。その中でも多くの市町村で認められているケースについては、西宮市でも認めるかどうかを、検討して頂きました。5項目あがっています。

 

<アンケート結果からの5項目>

① お見合い、両家へのあいさつ

② 結婚式の2次会、結婚パーティー

③ 家族、親族間での話し合い

④ 塾の三者面談※

⑤ 障害者団体の会議※

 

上記のうち、今回、西宮市で認められたのは2つです。

 

※④塾の三者面談と、⑤障害者団体(聴覚)の会議等

これらが、西宮市で利用できるようになりました。

 

④塾の三者面談

→基本的には塾が費用を負担し、準備すること。しかし、予算が確保できない場合は市が個人に派遣する。次回以降、塾で準備できるよう当事者及び市から要請していく。

⑤障害者団体の会議

→聴覚障害者団体(2団体)に限っては、試験的に認めて行く。26年度はモデル的に実施するため、一団体につき年6回を限度とする。

 

【まとめ】

●一部、塾と聴覚当事者団体の集まりには市の派遣が認められました。

→以前は、「民間」の場合、実施団体が手話・要約筆記の費用負担もしなければならなかったのが、より公的なものとして考えてもらえました。

●予算や派遣要綱は変更なし。あくまで、現行制度の範囲内で、一部認められました。

●残りの3項目が認められなかったのは、予算(お金)が確保できていないこと。そして、市の考え方が基本的には変わっていないことが理由です。

→市の派遣対象として、「公的」と「私的」なもののうち、「公」から優先して派遣すべきであり、「私」の部分は現状では認められないとしています。

 

【感想】

西宮市は、私たちの要望に対してかなり丁寧に検討して下さいました。ただし、「私的」な場面の通訳について、まだまだ、市と当事者との考え方が違っていると感じます。家族や親せき間でも、コミがとれないことがあり、大事な話でも教えてもらえず、孤立することがあります。本人でないとわからない部分です。だから、(アンケート③も)通訳が必要だと思っています。市としては、親族間の話し合いでは、親族以外には知られたくない事柄が取り上げられる可能性が高く、その話し合いに第三者である通訳者が同席することについて、健聴者にも事前に了解を得る配慮が必要になるなど、他の項目と比べても慎重に検討すべきであると回答しています。

LICとしては、家族ではなく、本人が決めたいのです。手話が出来ない家族もいるし、むしろ、通訳が入ることで、より円滑に伝えられ、深い話が出来ることもあります。理解や啓発が進む側面があると考えるのです。ぜひ、制度的に認めてほしいと強く感じました。

 

【今後の課題】

・検討した5項目の内、残り3項目を市に検討してもらう。

・その他、たくさんの派遣対象外の事由についても市に検討してもらう。

→引き続き、今年度も市との話し合いを続けていく(8月より)。

→昨年、厚労省が出した、モデル要綱を西宮でも取り入れてもらう。

西宮の通訳制度がより良いものとなるよう、行政と当事者が一緒になって、変えて行きましょう。

 

shinokouysyou

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