◆LIC(リック)は、聴覚障害者への通訳派遣や権利擁護を行うNPO法人です。

差別解消法ワークショップ報告

2017年1月14日に差別解消法のワークショップを行いました。

<動画>

 

1.仕事

 

・6年前に、仕事終了の放送が分からず、自分1人だけずっと仕事していたことがあった。残業扱いになってしまうので、上司に怒られてしまった。誰かに呼びに来てほしいということを上司に何度も話して、やっと改善されたが、たまに忘れられる時がある。(難聴・知的障害)

 

・普段から一緒に働いている人達だったら、自分の障害の重さをよく理解してくれるが、あまり会わない人と会った時、「耳が聞こえないといっているけど、結構軽いんだな」と思われてしまう。(ろう)

 

・配属された時の最初の上司は、話す時は口も大きくゆっくり話してくれたり、朝礼の時に手話をやってくれたりなど、聴覚障害にとても理解のある人だったが、別の上司が異動してきた時、理解がないわけではないが、声が小さくて聞き取りにくかった。(難聴)

 

・何回説明しても、難聴ということを分かってもらえず、「本当は聞こえているだろう」と言われる。ろうの人は全く聞こえないので手話通訳を派遣してもらえるが、自分は手話が分からないから「パソコン要約筆記を派遣して欲しい」と何回言っても、会社からは難色を示される。(難聴)

 

・職場で1人だけで闘うのは、ものすごくしんどいことだと思う。

正直、「自分が我慢してその場を流そう」となってしまうと思う。

職場に誰か一緒に話せる人、相談できる人、交渉できる人、同じ苦しみを味わっている人などがいるか、教えて欲しい。(健聴)

 

・相談するところもたくさんあって、仲間もいるが、社内で難聴者は自分1人だから、結局1人で闘うしかない。何回も説明するが、PC要約筆記は予算がかかるので会社としては「不可」となる。その時LICさんに話をきいてもらったり、ハローワークで話を聞いてもらったりして、やっぱり1人で闘う。(難聴)

 

・自分の会社では、障害のある人で闘っている人はいない。「すごいな」「大変だな」と思いながら、聞かせてもらった。(健聴)

 

・結構大きな会社だが、障害者を雇っているのは下肢障害や、内部障害、精神障害が多く、聴覚障害者は自分1人。この前車いすの人が見学に来たが、会社にスロープがなく、すごく通りづらそうだった。車いすや下肢障害、身体障害者にあまり配慮していない。

去年会社で人権講演会があったが、耳が聞こえないので参加しなかったら、人権講演の担当者が「この講演は全社員受けないといけないので、あなたも受けて」と言い、字幕のないDVDを約2時間見せられた。

それは差別というかいじめなのかなと思ったが、会社で聴覚障害者として1人で闘うのはちょっと怖い。他にも、会社で1人で闘っている人がいたら、どんな風に闘っているか聞いてみたい。(ろう)

 

・以前健聴の仲間が「聴覚障害者は入場拒否はあまりされないが、通訳・字幕の支援が無いままにされている」「直接、入場拒否はされていないが、参加できていないから、入場拒否と一緒ではないか?」と言って、その意見に同感。

字幕がないと、参加できていない状況におかれていると感じた。一緒に考えてくれる健聴者がいるだけで心強い。みんなが1人で頑張っている状況があるということなので、まず、共有をして何とかできないか。(難聴)

 

・障害には理解がある職場だったが、聴覚障害者が職場に居たらどういう風にサポートしてあげたらいいか、どうしたらその人達が皆と同じように参加出来るかが分かりにくい部分があった。自分は、健聴の立場と、聴覚障害者になって困った立場の両方を知っている。聴覚障害は周りに分かりにくいので、具体的に声を出さないと伝わらない。身体障害はサポートの仕方が分かりやすいが、聴覚障害者は1人1人コミュニケーション方法も違うので、「自分はこうしてほしい」と伝えるのが大事。(中途失聴・肢体障害)

 

・7年前に突発性難聴になり、そこから生活が一変した。自分の場合は片耳の難聴なので、制度上の障害者ではないが、仕事や社会生活の上では様々な障害がある。

あと、突然聞こえなくなってしまったので、心の問題を抱える人が私も含めて多いと思った。心の問題というのは、同じように「見えない問題」。聞こえにくくても聞き返すのを遠慮したり、聞こえたふりをして笑っていたら違う話だったりということがいっぱいある。それを相手に伝えた方がいいのか否か迷いつつが続いている。私の状態は一体何なのかというのが自分でもよく分からない。(中途失聴)

 

・自分は精神の当事者で、連れ合いは重度の身体障害者。精神と身体の差別に対しては、毎日毎日闘っているが、当事者だけが声をあげないといけないのは、とてもしんどいこと。当事者以外も声をあげていかないといけない。

教育関係の仕事をしているが、その学校は聴覚障害者と視覚障害者への情報保障が出来ていない。

入学試験の時に、例えば「聴覚障害の人はPCテイクや手話や磁気ループなどの希望を言って下さい」と、最初に伝えておらず、「希望者がいれば考える」というスタンス。「視覚障害の人も、聴覚障害の人も、どうか受験して下さい」と言わないと差別だ。

私は視覚障害・聴覚障害の当事者ではないが、健常者や、障害種別が異なる人も、他の障害の人々が差別にあってると思ったら、どんどん抗議していかなければならないと思っている。差別の問題について「抗議するのは当事者だけの責任だ」というのは間違っていると思う。(精神障害)

 

・社内で講演会の案内が入った時に、人事に「PC要約筆記を派遣して欲しい」と自分から話してほしい。人事には、聴覚障害者を採用してから2年間は多額の助成金が出ているから、胸をはって「パソコン要約筆記をお願いします」ということを、繰り返し繰り返し説明してほしい。上司だけじゃなくて、同僚にも他の上司にも広く訴えていくのが大事。最初は失敗しても、次から配慮があるかもしれないので、あきらめないで頑張ってほしい。(難聴)

 

・入社して1年目から、人権講演の前に手話通訳派遣かパソコン通訳サポートのお願いをしたが、それでもダメだった。もう少しがんばろうという気持ちはあるが、頑張れば頑張るほど、会議が自分をそっちのけで進められていく。一応、電話応対は配慮してくれるが、自分の仕事も任せてもらえるようになっているのに、仲間とのコミュニケーションがしっかりできないというもどかしさがある。(ろう)

 

・本当は職場のすべての人が話している世間話や冗談話もすべて保障されるべきだと思う。

私達が求める社会は「世間話も筆談・手話・PCテイクで全部分かるようにする社会」だと思う。某自立生活センターの聴覚障害スタッフは「私が後ろをむいていても、手話で話をしろ。冗談も世間話も全部手話でやれ。そうでなければ差別だ」と言っていた。

会議でもなるべく全員が手話をやるようにしたり、新人の介助者も手話の勉強をしたりしている。冗談でも、「どこのラーメン屋おいしかったで」という話も手話でやっているのを見ると、「これがあたりまえやな」と思う。(精神障害)

 

・行政の人を会社に入れるのは難しい。会社内の問題は会社内で解決したいという気持ちが強い。そのような場面はどうされているか。(難聴)

 

・仕事をしている聞こえないみなさんは、その会社の利益を出すためだったり、その会社が事業をするために働いてくれているのに、何故PCテイクなどの基本的配慮すらもないのか。しかも、雇用機会均等法で義務になっているにも関わらず、なんでこんな現状がまだ普通にあるのか。当事者ではないけど、腹が立って「ふざけんな」と思う。(肢体障害)

 

・会議がわからなかったり、みんなが笑っている時に笑えないと言う経験がある。時間はかかったが、仲間が会議中にパソコン通訳をしてくれることになって、「こういうことを話してたんだ」とやっと気付いた。

差別解消法ができて、雇用促進法が改正されたが、実際に何か変化があったかと窓口に訊いたが、「特に変わってない」と言われた。

雇用機構は、手話通訳の助成金制度は出している。

手話が分からない聴覚障害者は要約筆記が必要だが、制度が無いから使えない。

「4月以降も使えないままです」と言われ、ひどいなと思った。

手話が使えない聴覚障害者の存在を認めておらず、必要性も全く考えていない。

日本の聴覚障害者の就労はそんなレベルだから、まだまだ要望していかないといけないと思った。みんなが職場で配慮してもらって、「分かる」という経験が当たり前になってほしいので、そういった話し合いができて良かった。(難聴)

 

・大手の会社に勤めていた時、社員3000人中聴覚障害者は4人いたが、会社も聴覚障害者に対してどうしたらいいのか、戸惑っている様子もあった。聴覚障害者4人は、組合に行って相談しようと考えた。それぞれ4人は情報保障が異なっており、手話通訳がいい人も、要約筆記がいい人もいた。組合長に話すと、組合長が会社に要望を話してくれて、1ヵ月後にそれぞれの聴覚障害者に合う情報保障をつけてもらうことができた。(難聴)

 

・職場に最初入った時は「聴覚障害があります」と言っていたが、新しい人がどんどん入ってくると、毎回毎回「耳が悪い」と言いたくない。ラインの仕事とかしていると、知らないうちに違うラインに変わってみんながいなくなった時がある。耳が聞こえてないので、「みんなどこに行ったのかしら」と思っていたら、リーダーの人が教えてくれた。1号ラインなら「1」と指で教えてくれた。他の人は黙って行ってしまったが、気をつけて教えてくれる人がいると嬉しい。社会がそのような気持ちのあり方をしてほしい。

あと、自分から言えない人は、チョウチョマークみたいに聴覚障害のマークをつけたらどうかなと思う。(中途失聴)

 

<講師:松波さんから>

  • 職場で、一人で闘っている状況に対して

・たくさんの当事者の体験を聞いて、まだまだ深刻な状況だと思うと同時に、なかなか分かってくれなくても壁を突破してPCテイクを使えていると言う話を聞いて、全部の会社がそうでなければならないと思う。

雇用促進法も施行されており、そこでは合理的配慮は義務であり、努力義務ではない。だから、配慮がないのは法律違反をしている。

直接言ってもダメだったことが重なると本当に辛いし、1人で闘っても先が見えなく感じるかもしれないが、障害者雇用のセンターやハローワーク、行政の窓口等の外部の機関へ訴えれば明らかに法律違反なので、(会社に)助言が入ることは充分にある。ぜひ諦めずに言って欲しい。

早く法律の主旨が伝わって、「そんなことをしていたら会社としてダメだ」という認識にならないといけない。

改めて、「おかしいと思った事はどんどん言っていかないと」と思う。

 

  • コミュニケーションの配慮が忘れられやすい

周りの同僚・上司に理解がある人がいても異動してしまうことがある。

私も京都で条例作りをしているときに、京都のろう者からそういう体験を聞いた。学校の先生で聞こえない人の話を聞いたとき、聴覚障害に理解があって手話を覚えた同僚がいて、職員会議の通訳などをしてくれていたが、数年で異動してしまって困るとう話があった。

コミュニケーションの配慮が忘れられやすい。「聞こえない」ということが分かりにくい。車いすの場合は、目でみて段差がわかるが、コミュニケーションはそうはいかない。

人権講演会や職場研修では、聴覚障害のある人の実状や、法で守られる権利がわかるものを求めても良いと思う。

そのような研修をしてほしいということも求めていいのではないか。

どこまで理解してもらえるかは分からないが、法律は味方のはず。

頑張ってほしいし、私も企業に研修に行くことがあるので、出来ることをやろうと思った。

 

  • 職場の問題を社外の機関に相談することについて

・社内の事例を外に出す難しさはあると思うし、会社が隠したいと思うのも分かる。外に相談することで自分が不利になったらどうしようと心配するのもわかる。会社の中でどうしようもなかったとき、外に相談するのはアリだと思う。相談を受けたところも、その人が社内で不利にならないアドバイスをしてくれるはず。法律という根拠があるので、会社が相談した人を不利益に扱うのはだめ(建前として)。しかし、「相談しやがって」と思う人もいるかもしれない。

建前としては絶対相談した方が良いし、改善されなければならない。

会社の人も法律違反をしてはいけないということが分かるような、有効な指導が監督省庁から出されるとよい。会社自身がプレッシャーを感じて、変わっていかなければならないと思う。

 

  • 雇用促進法の法的義務が守られていない

・聴覚障害のある社員も会社のために働いているはずなのに、全部がそうではないかもしれないが、会社の方が「他の人より手間がかかるのに雇ってあげているんだから」という姿勢を持っている。でも、それは違うということを、時間がかかっても伝えるべき。

障害がある職員がいることはメリットと捉えようとせず、短いスパンだけで「面倒でお金がかかる」と受け取られる。

法律ができたからといって、会社の人の意識が自動的に変わるというわけではないので、しんどいけども、地道な闘いが必要になる。

会社の人の意識が変わるとすれば、一緒に働く経験を通して、「情報保障は大事なんだ、当たり前のことなんだ」と思ってくれたらいい。

理想かもしれないが、そこで一緒に働くことで中から変えていくことになると思う。




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2.お店・サービス

 

・商店街でのお肉量り売りで、店員が「100gを超えたら料金上乗せになりますがいいですか?」と訊いてくるが、聞こえなくて困ったことがある。(ろう)

 

・店員がマスクをしていると口の形が読み取れなくて、何て言ったか分からないことがある。状況から想像して「この人はこういうことを言ってるんだな」と思って、「はい」と言ったりする。(難聴)

 

・コンビニで箸やスプーンがなく困ることがある。「うんうん」と言っていたら、付けてもらえていないということがある。見た目で分からないから、配慮が必要かどうか気付いてもらえない。(難聴)

 

・バスの運転手さんの研修会で、聴覚障害者のお客さんに対する対応の仕方が分からないと言われたことがある。手話で話してない限り、「この人が聞こえない」ということが分からないので、どう配慮したら良いか聞かれた。(難聴)

 

・自分が聴覚障害者であると伝えた上で対応が変わらないのが一番の問題だと思う。自分が聞こえないと言うことを伝えたら、対応が変わるお店もあると思う。

面倒かもしれないが、自分から伝えていくのは大事。(ろう)

 

・物をみせてもらったり説明を聞いたりするのが難しいので、いろいろ資料をもらって帰って、拡大機で見ている。自分で機械(ループ)を持参し、相手にマイクを渡して「これで話して」とお願いする。そばで復唱通訳してもらえれば、周りが騒がしくても、マイクの声しか聞こえないので分かる。(盲ろう)

 

・お店側が意識を変えるためには当事者がお店に訴える事が必要だと思う。当事者だけの問題ではないが、当事者は特に伝えなければならない。コンビニで、「聞こえません」という人が10人ぐらい通えば、お店も考えるきっかけになる。その上で、配慮してもらえなかった時に、「それは差別」だと相談していったらいいと思う。相談したら変わるところはあると思う。(ろう)

 

・通訳を連れていくと安心して対応してくれるが、1人だと店員が動揺して対応してくれないことがあった。

スーパーで財布を落としたのに気付かないまま歩いていたら、後ろから声をかけられたが、私は気付かなかった。その後その人は前に回って声を掛けてくれたが、聞こえないことに気付いたようで、書く事も出来ず、戸惑っている様子だった。聞こえない人への対応が分からないのかなと思った。(ろう)

 

・「私は聴覚障害者」と伝えただけでは、世の中の人には何をして欲しいかということが伝わらない。今は聴覚障害への理解が少ないので、自分のことを伝える工夫をしていく必要がある。「筆談して下さい」や文章が苦手な人は「手話通訳が必要です」等、フォロー方法を具体的に伝えていけたらいいと思う。(ろう)

 

・ボールペンでは小さく細い字で読めないので、太いペンを渡して書いてもらう。自分で用意したペンを渡すという方法をとって、自分の望む対応をしてもらっている。(盲ろう)

 

・聴覚障害者はいろいろなニーズがある。障害を持つ子どもも、どこの学校でも学べる、「インクルーシブ教育」と呼ばれるものがある。インクルーシブな社会が必要だが、まだまだ実現できていない。(難聴)

 

・初めて聴覚障害の友だちに会った時は何を話したらいいか分からなかった。その場にいた先輩から、スマホで打つなど他の方法もあることを教えてもらった。ニーズに合わせて、できる限りの対応をする重要性を実感できた。大学でノートテイクをしているが、支援に関わるか否か関係なく、一般学生も最低の下地は勉強しておくべきだと思った。(健聴)

 

・初めに耳の聞こえない人と道でばったり会って道を聞かれたとき、どうしたらいいか分からなくて、きょとんとしてしまった。

テレホンオペレーターをしていて、聴覚障害者のお客さんの代わりに子どもさんが出たことや、通訳者が代わりに電話口に出たこともある。ゆっくり話してほしいと言われ、私が喋ったことを通訳して、本人の契約内容を変更できた。そういうことは非常に稀だと思う。(健聴)

 

・どんどん社会に出ていき、理解してもらうことが必要と思った。ヘルパーとして障害者と一緒に動いているとき、一般の人は「ヘルパーがついているからいいや」という感じで、どんどん一般の人と障害者の間に壁ができるのを最近感じている。(健聴)

 

・通訳者が「こうしたらいいんちゃうか」と決めたり、勝手に話してしまうことがあると思う。パソコンテイカーを連れて会議に行くことがあるが、本人ではなくパソコンテイカーにしゃべりかけたりする人もいる。本人と話せるようになって「壁」をなくしていけたらいい。(難聴)

 

・団体内に聴覚・肢体の重複障害者がいるが、なかなか話の中に入れない。健常者スタッフで手話が出来る人が少ないため、ベテランに頼ってしまう。

また、USJへの差別解消の取り組みを始めた。アトラクションに車いすが入れなかったり、字幕の保障がないということもあり、地元の障害支援センターや区役所などに訴えてセンターからテーマパークに話をしてくれているが、字幕の問題については、外国の人も来るので日本語だけを字幕にするのは難しいと言われた。今後、交渉していきたい。(肢体障害)

 

・映像のアトラクションに字幕が全くついておらず、話が分からないまま見てるだけと言う状況だった。要望書や署名を提出したが、会社からの回答が一切なかった。聴覚障害者を客扱いしておらず、対応が最悪だと思った。(難聴)

 

・手話通訳の近くでフラッシュがたかれたり、目の前で人が行き交ったりして見にくいことがあった。闘う必要があるという意見が出た時、みなさんは「うんうん」と言っていたが、その時に「分かりません」と言って闘って良いか分からなかった。意見を言う時も、自分の思いをうまく出せるような解決方法があればいいと思う。(ろう)

 

・聞こえないことを説明するより、「こうした方がいい」と説明した方がうまくいくことがある。他の人がわかりやすく伝えてくれることもある。

ろう学校の先生から、「聞こえなくて仕事が上手くいく人は、自分から周りに溶けこもうと努力している。自分の仕事をやめたりする人は、周りのせいにばかりしている」と言われた。(難聴)

 

・差別解消法窓口に行ってみて「行かないよりは、行った方がいいな」と思った。ただ、残念ながら解決されないことも多い。大きい会社などは、1障害者の意見は聞いてくれない。くじけそうになるが、差別があったことを残してもらうことを地道にやっていくのも、差別を無くす方法の一つかと思う。(難聴)

 

・相談窓口に行く時、いつもネームプレートに「目と耳が悪い」、「ゆっくり話して下さい」と書いている。窓口の担当者の中には、単に「聞こえない・見えないだけ」と思っている人がいるが、それ自体が差別になっている。だから自分がやってほしいこともちょっと書いている。相手が自分のやって欲しいことをやってくれなかったら、無視していれば良い。そこまでやらないと変わらない。(盲ろう)

 

・障害者が健常者の中に入るためにすごく頑張って溶け込もうとすることは、しんどいことだなと思う。障害とは、当事者にとっては当たり前のことで、ただ普通に自分の日常を生きているだけなのに、周りに受け入れられないとそこに居たらいけないのか、生活してはいけないのかと思うと、すごくしんどい。障害者と健常者の線引きが難しい人もいるのに、一方的に障害者が健常者の社会に入って行くために頑張らなければならないのは違和感がある。(肢体障害)

 

・障害者権利条約と差別解消法ができたということは、変わらないといけないのは障害者ではなく、社会の方だと思う。障害者の人はありのままで伸び伸びと生活することが保障される権利があり、そのために社会の方に変わる義務がある。

希望を持って生き生きと伸び伸びと主張していけばいいのではないかなと思う。

(精神障害)

 

 

<講師:松波さんから>

  • お店が対応してくれなかったら

・聞こえないので書いて下さいと言ったのに、何も対応しないのは差別。

今は努力義務なので曖昧にされているが、そういうお客さんが来るのは当然という意識を持ってほしい。

 

  • 明石での取り組み

・明石市は手話・コミュニケーションの条例と、障害者差別解消条例が出来た。合理的配慮のための改造費用や道具を購入するために15万円まで助成する助成金制度が創設され、商店などに呼びかけたら、いろんなお店が多額の費用がかからないスロープや筆談道具などをセットにして用意してくれた。「こういうお客さんが来たらこうしよう」と考えるきっかけ、意識付けになると思う。ぜひ、西宮市や兵庫県でもそのような仕組みができればいいなと思う。

 

  • ヘルパーをしていて感じること

・最初に車いすの人の介助をやるようになった時、買い物中、お店の人が、本人ではなく私に話しかけた。それに私がうっかり答えたらダメだと車いすを使ってる人から厳しく教えられていたので、「当事者に話して下さい」と言うようにしているが、まだまだ本人に話しかけないといけないことを分かってない人が多いので、辛抱強く言っていかなければならない。通訳の場合も、通訳者に話しかけるのは違う。勉強してる人は分かると思うが、あくまで本人が中心だということを、社会に広く伝えていかないといけない。

 

  • 相談窓口に行くことの大切さ

・相談が無駄だったかというと、そうではない。「これで嫌な思いをした」「いつ、どこで差別事件が起こった」という記録を行政の中に残すことも大事。相談員も全部の障害や、各障害の人がおかれている状況に詳しい人はあまりいない。

当事者でも、他の障害のことを知らないこともありますよね。とにかく相談がよりよく機能していくためにも、相談員が成長するためにも、どんどん相談する。本当に問題があることを意識してもらうのも重要だと思う。

 

  • 変わるべきは社会ということ

・社会モデルは基本中の基本。それを伝えるのが自分の仕事と思う。

障害者本人が発信しないと分からないことももちろんあるが、堂々と合理的配慮を求めてもいいし、決して「わがままではない」ということを思い出してほしい。変わらないといけないのは健常者の社会の方だし、それは法律にも既に書いてある。法律ができてもぼーっとしてる状況なので、なんとか、そこを変えていけたらなと思う。

 

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